協力隊の意義・効果って何だろう
えーこれも、前の日記にも書いたとおり、先輩隊員と話していて思ったことです。
派遣までのステップ
協力隊って次のようなステップを経て任国に行きます。
- 技術補完研修(職種による、コンピュータ技術は約20日)
- 派遣前訓練(研修ではないですよ。訓練です。僕らのときは76日。今度また短くなるそうだ)
- 現地語学学校(期間は任国によって様々。ルーは約一月)
- 任地へ(俗に言う、ドナドナです)
任地へ向かった先の現実
で、こういった語学訓練を経て実際に任地へ向かうわけだけど、ここにはこういう現実があります。
- 言葉しゃべれません!(英語圏は別かなぁ)
- 必要とされてないときも多々あります!
- 要請に全て対応できる能力なんてありません!
まぁ、能力に関しては伸びていくものだから、まぁそれほど問題視することでもないです(が、一応挙げてみました)。
これが意味するところは、
日本人が日本で仕事するように物事はすすまない!つまり、協力隊の隊員(そしてJICA)も努力しているけれど、目に見える協力の効果なんて期待できないということです。今、協力隊に参加したいと思っている人が見たら悲しくなるし、協力隊の資金を提供している国民も悲しくなる現実だと思います。
さらに、こういうホームページもあったりします。
青年海外協力隊の実態
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ここでは効果を特に経済的な意味で考えて見ます。日本が隊員を育成するために投資する費用は少なく見積もったとしても500万円は行くでしょう。1日5時間の語学授業が週6日=1万円×5×6。そして、この語学が12週間続くとして360万円。そして、その他異文化適応やジェンダー問題の講義のための費用。軽く100万円はいくでしょう。また、渡航費用と準備金で約100万円かな。また、現地語学訓練の費用やホームステイの費用や現地生活費などなど。正確に計算したら1000万円くらいいくんじゃないかな、隊員一人あたり。
そして、現地の配属先は隊員の居住費を支払ってます。
これら費用に対してペイするんだろうか?コンピュータ技術者の場合は、配属先にとってペイするかもしれません。なにしろ、どの国でも技術者の価値は高いので。また、居住費だけ支払えばいいので、こういう意味でもいろんなところで配属先がペイする価値はあるのかもしれません(普通に現地人を雇う価格×効果(50%)ぐらいとしても)
でも、1000万円に対する効果ってどうなんでしょう?日本の国民が汗水流して働いた税金を投入して行われる協力隊事業。これは、日本の人々にとってペイするんだろうか???
協力隊は養成機関かもしれない!
で、ペイするかどうか?効果があるかどうかを考えていた矢先に、先輩との話がありました。結論から言ってしまえば、
国際人を養成する機関なのだぁ〜!
とも思える節が多々あります。海外で2年も過ごす。こういう経験を持っている人は少ないはずです。でも、日本は国際的に対応していかなければなりません。だから、そういう海外で生活し現地の人々と渡り合える人々が多くいないと、今後生き残れないのではないか?と協力隊事業を作り出した人たちは考えた(のかもしれません)。異文化の人々と接触し、どのように行動し自分達に有利にことを運ぶか?そういった意味で考えると、2年も生活する人たちを多く作り出している協力隊は意味があるのかもしれません。
また、どうやらJICAにはヒエラルキー(悪い意味で捉えないでね)があって、協力隊→国際協力員(正確な名前は忘れた)→調整員→etcなどあります。そして、国際協力事業(協力隊だけじゃない。緊急国際援助とかもしてます)をより容易に展開しようとしている。JICAに携わればわかると思うけれど、協力隊経験がある人ってほんと多いんですよ。だから、協力隊員はそういったJICA職員に対する研修・訓練の場なのかもとも思います。そういう養成の場であるからこそ、目に見えて効果を要求されないのかもしれません。あくまであるのはMBO(management by objective)だけです*1
が、JICAにまた雇用される人は極わずかです(正確な数値は知らん)。なので、国際的に対応できる人を育成するのが本務なのかと思ってます。
な〜んか、JICA万歳みたいな内容になってしまった。本当はそういうことじゃなかったんだけれどね(笑)。まぁいいや。
上記のようなことを考えたんだけど、協力隊員が目に見える効果を求めなくていいというわけじゃないと思う(信念だね。論理ではない)。だから、目に見える効果を期待されなくても、俺は効果にこだわって行動したい(あーこれだけが言いたかった)
*1:普通の会社と違って、上司がいないのでほんと自律精神が必要です。そして、上司がいないから機能してないともみられるでしょう