IT戦略って何だろう

今、働いているところはボトシャニ県の県庁です。が、日本のように人数多くありません。せいぜい50人。理事会(県議会かなぁ?日本語だと)も合わせても、100人には達しません。日本とルーマニアの人口比を考えてみると約6:1なんだけど、それだとしても県庁に600人って少ないよなぁ。ほんと、人数少ないのでいろいろと考えられて嬉しい職場ですね。



さてさて、今のところ県庁はITをあんまり導入してません。技術者を雇うお金が無いというのが最も根本的なんですがね。が、しかし、ITを導入していかなければなりません。EU加盟というのもありますが、県庁の仕事をもう少し効率化・効果的に進めたいからです。
で、効率化の部分ではいくつかの案があります。

  1. テレビ会議の導入で交通費・通信費・時間を削減する
  2. ドキュメント管理システムを導入して文書を一元的に管理し、検索効率・保存効率を上げる

などなど。



でもね、こういうの導入したはいいけれど全体的に県庁に役に立ってるか?と考えるとすごく部分的だと思う。なぜか?きっと、全体を見渡したIT戦略が無いからだと考えてます。県庁の全体を見渡して、ここが不足しているから○○を導入しようという論であれば、「部分」感は無くなると思う。



ところで、「県庁の全体を見渡して」が、結構難しい。全体とは何か?この定義がなかなか難しいです。1つには県庁で行っている業務に何があってどのようにやっているかを定義すればいいような気がする。でも、これって「現在」しか見ていない。システムって将来にわたって影響するから現在だけの視点ではダメだ。



また「IT戦略」というのもよく分からない用語だ。なんとなく使っていて、分かる気がするがせいぜい何となくというものだ。またEA(Enterprise Architecture)との関連で語られることも多い。しかし、EAはその言葉が示すとおりあくまで構造でしかなく、舵取り(ビジョン)は見えない言葉だ。



ということで、最近これを調べてたらいいフレームワークが見つかったよ。CIOのホームページを見ててありました。ここです。このフレームワークは、基本的に経営サイド・ITサイドの軸と、システム部門にとっての受動性・能動性を機軸にしている。が、考えやすいフレームワークだと思う。このフレームワークによって二段深く考えることが可能になる。



以下に抜粋しておく

  1. 経営・受動
    • 経営課題・事業課題の解決
  2. 経営・能動
    • ITによる差別化可能性の提示
  3. IT・受動
    • IT資源・コストの最適化
    • ITシステムの整合性の確保
  4. IT・能動



EAは正にITの受動・能動に関わるところだ。これは絶対に考える必要がある。基本的にはビジネスプロセスとデータだ。プロセスの自動化を行い、データ品質を保つことが必要。経営サイドの面は、経営課題・事業課題を収集するためにシステム部門が各部署に張り付いて、マンパワーに一員となって需要を予測しておきたい。差別化については実験が必要だ。○○の技術を適用することで、市場を拡大できるか?といったものだ。

まぁ、とりとめもなく考えているけれどこんなところですね〜。