第一章 はじめに

目的

本資料の目的は以下の2つである。



1.日本文化から他国文化へとより容易に溶け込むための行動指針を示すことである。*1
2.他国で利用されている手法をどのように異国へ適用すべきかの指針を示すことである。


指針を示すにあたり、ホフステッドの国民文化次元を測定し、仮説を立て、実際の行動及び適用がどう受け取られるかを示す。その後、測定結果(観察及びアンケート)・仮説・実行結果から他国へと溶け込む際の有用な行動指針と手法の適用指針を示す。



また、行動指針はコミュニケーション論で扱われるような一般的な指針ではなく、あくまでも文化に依存した行動指針を示すことを目指している。*2



この文書は目的に対する完全な解決を示すのではなく、目的に対するチャレンジである。

前提

本資料は、"Cultures and organizations software of the mind" Geert Hofstede著*3を読んでいることを前提としている(※実際には、邦訳「多文化世界有斐閣*4を参考としている)。
また、適用する手法は以下の2つである。

  1. Community of Practice
  2. 学習する組織「5つの能力」

対象者

本資料は、以下の人々にとって読む価値があるだろう。

  1. これから異文化の世界へと入り、仕事や生活を行う人々。
  2. 自国で利用してきた手法を異文化の中で適用しようと考えている人々、また逆に異文化で発展した各種考え方・手法を自国に取り込むことを考えている人々。

*1:人間には適応能力があるが、意識的に行動することでより短期間に適応し成果を上げることを目的としている。

*2:リーダシップ・コーチングなどのコミュニケーション能力向上技法も異文化適応に有効である。

*3:

Cultures and Organizations: Software for the Mind

Cultures and Organizations: Software for the Mind

*4:

多文化世界―違いを学び共存への道を探る

多文化世界―違いを学び共存への道を探る